外壁塗装工事では「養生（ようじょう）」と呼ばれる工程が非常に重要です。とくに養生シートは、工事の品質や安全性、美観を大きく左右する要素のひとつです。

この記事ではその役割、種類、貼り方、よくあるトラブル、そして具体的にどこに養生するのかを詳しく解説していきます。

養生シートとは？

養生シートとは、塗装作業中に塗料が飛び散って汚れてはいけない場所を保護するためのシートです。建物のサッシ、窓、床面、植木、車、近隣住宅など、塗装しない部分を守る目的で使用します。正確な養生は仕上がりの美しさを大きく左右し、職人の腕が試される工程でもあります。

養生の主な目的：

養生シートの種類と用途

養生と一口に言っても、現場の状況に応じてさまざまな材料を使い分けます。

マスカー（ポリシート付きテープ）

• テープと薄いシートが一体化しており、窓やサッシ、外壁との境界線に最適
• 薄くて透明なタイプや、紫外線に強いグリーンマスカーなど、用途に応じた製品が多数
• 軽くて扱いやすく、撤去後の糊残りも少ない

ノンスリップマット・ブルーシート

• 足場の足元、通路、地面などの養生に使用
• 滑りにくい加工がされており、作業中の転倒防止に役立つ
• 雨天時や水が流れる場所にも対応可能

飛散防止ネット（メッシュシート）

• 足場に取り付け、塗料の飛散や作業中の工具・部材の落下を防止
• 近隣住民や歩行者への配慮としても不可欠
• 通気性を保ちながら作業現場の目隠しにもなる

厚手のビニールシート・養生ボード

• 庭木や大型エアコン室外機など、特殊形状の養生に活躍
• 水濡れ・油汚れにも強いので、建物周囲の設備保護に有効

養生作業の流れと職人の工夫

現場調査・準備

清掃・下地処理

養生の貼り付け

完了後の撤去と清掃

養生を行う具体的な箇所

窓ガラス・サッシ

窓やサッシは塗料が飛散しやすい場所の一つです。ガラス部分に塗料が付着すると除去が難しく、美観を損ねる原因になります。また、サッシ周辺は塗装との境目となるため、綺麗な直線を出すには養生が必須です。

玄関ドア・勝手口

住人が出入りする主要な動線である玄関や勝手口は、養生を怠ると塗料の飛び散りや靴底への付着によって、室内まで汚れる可能性があります。開閉可能な養生を用いることで、生活の利便性も確保しながら施工が可能になります。

エアコン室外機・給湯器

通気や排気機能を備えるこれらの設備は、誤って塗料が入り込むと故障の原因となるため、ビニールカバーなどでしっかりと養生します。ただし、通気性を確保することも重要で、完全密閉は避ける必要があります。

外構（塀・フェンス・植木）

外構部分は装飾性が高く、塗料が付着すると美観を大きく損ねます。特に植栽はデリケートで、塗料が葉や枝に付くと枯れる恐れもあるため、しっかりとしたカバーが必要です。

駐車スペースや車

施工中の塗料の飛散が車に付着すると重大なクレームに発展する可能性があります。そのため、車両カバーやネットを使用して飛散防止対策を徹底する他、可能であれば一時的に車を移動していただくようお願いすることもあります。

足場下の通路・隣家との境界

足場からの落下物や塗料飛散のリスクがあるため、通路や隣家との境界には飛散防止ネットや滑り止めマットを設置します。これにより、安全性と近隣への配慮の両立を図ります。

まとめ

養生シートはただの「カバー」ではなく、外壁塗装の品質・安全・信頼性を支える縁の下の力持ちです。丁寧な養生が、仕上がりの美しさと近隣トラブル回避につながります。

当社では、プロの視点で最適な養生を行い、お客様に安心して塗装工事を任せていただけるよう努めています。ご質問・ご相談も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください！