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【ALC外壁とシーリング(コーキング)増し打ち】正しい知識とメンテナンス方法を徹底解説

外壁にALC(軽量気泡コンクリート)パネルを採用している建物は多く、耐震性・断熱性・耐火性などに優れた外壁材として広く普及しています。ALCは性能が高い素材ですが、同時に「シーリングの状態が建物の寿命を左右する」と言われるほど、目地の防水性能が非常に重要です。
ALC外壁では、パネル同士を繋ぐために必ず目地が存在し、その部分を保護・密閉するのがシーリング材です。紫外線・雨・気温差によって劣化が進むと、内部へ雨水が侵入し、ALCの弱点である「吸水性の高さ」によってさまざまなトラブルが発生します。
この記事では、
- ALC外壁とはどんな外壁なのか
- なぜシーリングが重要なのか
- 増し打ちが推奨されない理由
- 打ち替えとの違い
- 適切なメンテナンス方法
- 施工の流れと注意点
を詳しく解説します。
目次
ALC外壁とは?特徴と構造
ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)は、内部に気泡を含んだ軽量コンクリートパネルです。高温高圧で発泡固化させることで、普通のコンクリートに比べて大幅に軽く、それでいて強度が高いという特徴を持ちます。
<ALCの主な特徴>
- 高い断熱性
内部の気泡が熱を遮断するため、夏の暑さや冬の寒さを緩和します。 - 優れた耐火性
高温に強く、火災時にも有害ガスが発生しにくい素材です。 - 軽量で耐震性が高い
重量が軽いため、建物の揺れを軽減し、構造への負担を減らします。 - 遮音性が高い
気泡構造が音を吸収・拡散し、室内環境を快適に保ちます。
ALCは非常にメリットの多い外壁材ですが、同時に「防水性が低い」という弱点も持っています。素材自体が多孔質で水を吸いやすく、外壁材の中でも特に水に弱い構造をしています。
そのため、ALC外壁では 塗装とシーリングが防水の要 となり、これらを適切にメンテナンスすることが建物の耐久性を大きく左右します。
ALC外壁におけるシーリングの役割
ALC外壁は、コンクリートパネルを組み合わせて施工するため、必ず「つなぎ目(目地)」が生まれます。この目地に充填されているのがシーリング材です。
シーリングの役割は以下のとおりです。
【シーリングの主な役割】
- 防水性の確保
目地から雨水が浸入するのを防ぐ。 - 建物の動きへの追従性
ALCパネルは温度差により膨張・収縮するため、その動きを吸収し、外壁の割れを防ぐ。 - 気密性の向上
外気の侵入を防ぎ、断熱性能を安定させる。 - 仕上がりの美観性
外壁の継ぎ目を滑らかに整え、仕上がりの見た目を良くする。
これらの役割から、シーリングはALC外壁にとって必要不可欠であり、少しの劣化でも雨漏り・凍害・内部腐食へ繋がる恐れがあります。
しかしながら、シーリングは紫外線・雨・凍結といった外部環境の影響を大きく受けるため、劣化しやすい部位でもあります。
ALCのシーリング劣化で起きるトラブル
シーリングが劣化すると、以下のような問題が発生します。
① 隙間・剥離からの雨水浸入
少しの隙間でも水が侵入し、ALC特有の「吸水しやすい」という弱点により内部に水が溜まりやすくなります。
② 含水 → 凍結 → ALCパネル破損
冬季、内部に侵入した水分が凍結すると膨張し、パネルの角や表面が割れる「凍害」が起こることがあります。
③ 内部構造の腐食
壁内の断熱材・躯体が濡れることで、木材の腐朽や鉄骨の錆につながります。
④ 室内への雨漏り
シーリング劣化は外部の美観だけの問題ではありません。最終的には室内へ雨水が達し、クロス剥がれやカビなどの室内トラブルへ繋がります。
そのため、ALC外壁では適切な時期にシーリング補修を行うことが非常に重要です。
ALC外壁はなぜシーリングが命なのか?素材構造の視点から解説
ALC外壁が「シーリング劣化の影響を最も受けやすい外壁材」と言われる理由は、その素材構造にあります。ALCは内部に無数の独立気泡を持つため、軽量で断熱性が高い反面、素材自体の防水性が極めて低いという特徴があります。
ALCパネルは、セメント・珪石・石灰などを原料にした軽量コンクリートで、一般的なモルタルや窯業系サイディングに比べて圧倒的に吸水しやすい性質があります。そのため、外壁を保護するための塗膜やシーリングが劣化すると、雨水が素材内部へ吸い込まれやすくなります。
特に問題となるのは、目地部分です。ALCパネルは鉄骨下地に固定されるため、パネル同士が必ず「線」で接する構造となります。この接点を守るのがシーリング材であり、ここが破断・剥離すると防水力はゼロになります。ALCの弱点を補う唯一の防水手段がシーリングであるため、「ALC=シーリング第一主義」となるのです。
ALCの吸水 → 凍害 → パネル破損に至るメカニズム
ALCの吸水性の高さは、内部に無数の気泡があるためです。気泡は断熱性や軽量性に寄与する一方で、水分を取り込みやすく、含水状態が続くとトラブルを引き起こします。
特に冬季、吸収した水分が内部で凍結すると体積が約9%膨張し、パネル内部から破壊力が加わります。この現象が「凍害」と呼ばれます。
凍害が進行すると:
- ALCパネルの角が欠ける
- 表面が膨れて剥離する
- パネルが反り返る
- 最悪の場合パネル交換が必要になる
これらは外壁塗装やシーリングの劣化が原因で起きるため、シーリングメンテナンスの重要性は非常に高いのです。
シーリングの厚みがALC外壁に特に重要な理由
ALCパネルは温度差によって動くため、目地を埋めるシーリング材には高い伸縮性が求められます。しかし、伸縮性は「厚み」がなければ発揮できません。シーリング材は厚さ(深さ)が半減すると、伸縮性も半減します。
増し打ちでは、既存のシーリングが残ってしまうことで密着不良・厚み不足が発生しやすく、ALCの大きな動きに追従できず、数年で破断する可能性が高くなります。ALCの防水を確実にするには、指定された厚み(一般的に10mm以上)を確保する必要があるため、打ち替えが最適となります。
打ち替えと増し打ちの耐久年数の差
ALC外壁のシーリング補修工法の選択は耐久性に直結します。
| 工法 | 一般的な耐久年数 | ALCとの相性 |
|---|---|---|
| 打ち替え | 10~15年 | ◎最適 |
| 増し打ち | 3~5年 | ×不適 |
ALC外壁×シーリングでよくある施工不良と原因
ALCのシーリング工事では、施工不良が起きると一気にトラブルへ発展します。特に多いのが以下のケースです。
三面接着
シーリングが目地の底に接着してしまい、伸縮性が失われる状態。ALC目地では絶対に避ける必要があります。
プライマー不足
プライマーが薄い・均一でないと、数年以内に剥離します。
空気噛み
充填の際に空気が入ると、穴が開いて劣化の起点になります。
厚み不足
適切な厚みが確保されていないと、ALCの動きに耐えられません。
既存撤去不足
撤去時に古いシールが残ると、増し打ちと同様に剥離の原因になります。
これらの不良は、ALC特有の構造と動きに理解がないと起きやすいため、専門知識を基に施工する必要があります。
ALC外壁に「増し打ち」が向かない理由
よく聞く質問が
「増し打ちでシーリング補修できますか?」
というものです。
結論として、ALC外壁のシーリング補修において 増し打ちは基本的に推奨されません。
理由は以下の通りです。
内部劣化を覆い隠すだけで根本解決しない
増し打ちは「既存シーリングの上から新しいシーリング材を足す工法」ですが、既存のシーリング内部が劣化している場合、表面だけ新しくしても根本的な防水性は回復しません。ALCは吸水しやすいため、わずかな隙間でも雨水が内部に入り込みます。
ALC目地には厚みが必要だが、増し打ちでは不十分
ALC外壁の目地は、動きが大きく、防水性を確保するためには一定の深さ・厚み(シール幅)が必須です。しかし増し打ちでは、既存の劣化したシーリングが邪魔となり、必要な厚みが確保できないため、耐久性が極端に落ちます。
既存シーリングの剥離が残るとすぐに再劣化する
既存シーリングが部分的に剥離していたり硬化している場合、その上から新しいシーリングを塗り重ねても根元から剥がれる可能性があります。その結果、2~3年以内に再劣化するケースも少なくありません。
ALC外壁は「動きが大きい」ため追従性が必要
温度差によるパネルの膨張・収縮が大きいため、劣化したシーリングの上に新たなシーリングを載せても追従性が弱く、動きに耐えられずひび割れが発生しやすくなります。
では、ALC外壁のシーリング補修はどうするべきか?
結論は以下の通りです。
ALC外壁のシーリング補修は、「打ち替え」が基本工法。
打ち替えとは、
- 既存シーリングをすべて撤去
- 目地内部を清掃
- 新しいシーリング材を充填
する工法です。
これにより、厚み・密着・防水性がしっかり確保され、ALC外壁本来の性能が維持されます。
シーリング打ち替えの施工手順
ALCのシーリング打ち替えは以下の工程で行われます。
- 既存シーリング材を全面撤去
カッター等で丁寧に切り取り、目地を完全に空にします。 - バックアップ材の確認
目地の深さを調整するための部材が正常か確認。 - 清掃・下地処理
ホコリや汚れ、水分を除去し、密着性を高めます。 - プライマー塗布
密着を良くするための重要な工程です。 - シーリング材を均一に充填
目地に沿ってしっかりと奥まで入れていきます。 - ヘラ押さえでしっかり密着させる
空気が入らないように表面を整形します。 - 乾燥後に塗装で保護
シーリングを紫外線から守るため、上から塗装します。
シーリング材は「変成シリコン」か「高耐久ウレタン」が適正
ALC外壁のシーリングに向いているのは以下の種類です。
- 変成シリコン
汎用性が高く、塗装との相性も良い。 - 高耐久ウレタン
耐候性・弾性に優れ、長持ちする。
逆に シリコンシーリング材(一般タイプ)の使用は不可。
塗装を弾いてしまうため、外壁塗装では絶対に使用しません。
増し打ちが「例外的に」認められるケース
基本は打ち替えが正しい工法ですが、次のような条件では例外的に増し打ちが行われることがあります。
- サッシ周りなど既存シーリング撤去が困難
- 既存シーリングが非常に健全で柔らかいまま
- 予算の都合で最低限の補修を行う場合
ただし、これらの場合でも、
耐久性は確実に落ちる点に注意が必要です。
ALC外壁のシーリングメンテナンス時期
ALCのシーリングは、一般的に 7〜10年 程度がメンテナンスのタイミングです。以下の症状があれば早めにチェックが必要です。
- ひび割れ
シーリング材が紫外線・雨・温度差によって硬化し、伸び縮みできなくなると表面に細かな亀裂が発生します。
初期のひび割れは一見小さく見えますが、ALC外壁の場合、目地からの浸水は即内部に伝わるため放置は危険です。ひび割れの幅が僅か1mmでも、雨水が繰り返し入り込み、内部のバックアップ材やALC本体の含水につながります。
- 剥離(シールの浮き・接着不良)
外壁との接着面が劣化し、端部からシーリングが浮き上がる状態です。
ALC外壁はパネルが温度差で動くため、シーリングの追従性が落ちると、剥離は一気に進行します。剥離した箇所は完全に雨水の侵入口となり、ALC内部の気泡に水が浸入することで重度のダメージを招く恐れがあります。
- 肉痩せ
シーリング材の可塑剤が揮発し、痩せて細くなる現象です。
幅はあっても厚みが足りない状態になり、伸縮性が失われるため、外壁の動きに追従できず、破断・割れ・再剥離に繋がります。肉痩せは劣化のサインとして非常に分かりやすいため、早めのメンテナンスが必要です。
- 隙間
シーリングが外壁から完全に離れ、目地内部が見えてしまう状態です。
これはシーリング劣化の末期症状で、雨水が内部に直接流れ込む危険な状態です。ALC本体は吸水すると脆くなるため、隙間から侵入した水分が季節ごとに凍結と膨張を繰り返し、パネルの割れや剥落など高額修繕につながります。
- 外壁の黒ずみ
シーリング劣化により目地防水性が落ちると、外壁表面に水分が残りやすくなり、カビや藻、汚れが付着して黒ずみが発生します。
ALC外壁は表面が塗膜で守られているため、黒ずみは塗膜劣化のサインでもあります。黒ずみが局所的な場合はその裏側のシーリングが劣化している可能性が高く、外観だけでなく防水面からも注意が必要です。
- チョーキング現象
外壁に触れると白い粉が付着する現象で、塗膜が紫外線で分解されて粉状になっている状態です。
チョーキングは外壁塗膜の防水性能が低下している証拠であり、塗膜が水を吸い始め、シーリング材にもより負担が掛かります。ALC外壁では塗膜劣化による吸水が進むと凍害や膨れを誘発するため、早期の塗装とシーリング打ち替えが必要です。
ひとつでも当てはまる場合は、早めの点検が建物を守る第一歩です。
まとめ:ALC外壁に増し打ちは不向き。正しい工法で建物を守る
ALC外壁は高性能な外壁材ですが、防水性が低く、シーリングが建物の寿命を大きく左右します。
増し打ち工法は…
- 内部劣化を解消できない
- ALCに必要な厚みを確保できない
- 追従性が不足する
- 再劣化が早い
などの理由から基本的には不向きです。
ALC外壁のシーリング補修は「打ち替え」が最適解。
これにより防水性が回復し、建物の寿命を大きく延ばすことができます。

合同会社 HIGH茨城支店は、外壁塗装や屋根塗装、雨樋修理をメインにリフォーム工事を行っております。茨城県に支店を構え、茨城県全域で施工対応が可能となっております。その他にも屋根板金カバー、水回り工事、内装工事など様々な建物のトラブルにも対応しております。
FAQ
よくあるご質問
- 外壁塗装はなぜ必要なのですか?
-
外壁塗装は見た目を美しく保つだけでなく、雨風や紫外線から建物を守る重要なメンテナンスです。
放置するとひび割れや雨漏りの原因になります。 - 塗装のタイミングは築何年くらいが目安ですか?
-
一般的には築10年ごとが目安ですが、立地や使用塗料によって前後します。
チョーキング(粉吹き)やひび割れがあれば早めの塗り替えをおすすめします。 - 工事期間はどのくらいかかりますか?
-
通常は3週間程度です。
天候や建物の大きさにより多少前後しますが、事前にしっかりと工程をご案内いたします。 - 雨の日でも塗装はできますか?
-
基本的に雨天時の屋外塗装は行いませんが、雨の影響を受けない場所であれば作業可能な場合もございます。
状況を見ながら柔軟に対応いたしますので、ご安心ください。 - 工事中は家にいても大丈夫ですか?
-
はい、在宅でも問題ありません。
ただし、足場の設置や洗浄時に多少の音や振動が発生しますので、あらかじめご説明いたします。 - 塗料のにおいは気になりますか?
-
最近の塗料は水性が主流で、においもかなり軽減されています。
気になる方には低臭タイプの塗料をご提案いたします。 - どんな色でも選べますか?
-
はい、基本的に自由に選べます。
カラーシミュレーションや実際のサンプルをご用意し、イメージ通りの仕上がりをご提案します。 - コーキングの打ち替えも必要ですか?
-
はい、外壁塗装と同時に行うのが一般的です。
コーキングが劣化していると、塗装後も雨漏りやひび割れが起きる恐れがあるため、塗装とセットでの施工をおすすめします。 - ご近所へのあいさつはしてもらえますか?
-
はい、当社では工事前にスタッフがご近所様へご挨拶に伺い、工事内容や日程について丁寧にご説明いたします。
また、工事完了後にもご挨拶にお伺いし、近隣の方々への配慮を徹底しておりますので、どうぞ安心してお任せください。 - 工事中に窓は開けられますか?
-
足場にメッシュシートを張るため、窓の開閉は制限される場合があります。
換気や生活への影響を最小限にするよう配慮いたしますので、ご安心ください。 - 見積もりを取ったら必ず契約しないといけませんか?
-
いいえ、もちろんそんなことはありません。
お見積もり・ご相談は無料ですので、他社との比較や検討材料としてお気軽にご利用ください。
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